「キャバクラをただの通過点にされたくない」経営者桜井野の花が語るナイト業界の可能性

歌舞伎町「桜花」と12月9日にオープンしたばかりの「花音-kaon-」のオーナーであり、現役キャバクラ嬢でもある桜井野の花さん。
InstagramやYoutubeでも高い人気を集めています。そんな野の花さんに、キャバクラの経営のことや、今後のナイトワーク業界についてお話していただきました!

【桜井野の花(さくらいののか)】1991年生まれ大阪府出身。当時ハマっていたホストに使うお金を稼ぐ為、19歳からキャバ嬢をスタート。現在ではキャバクラを2店舗経営する経営者であり、様々なメディアで活躍するモデルでもあり、チャンネル登録者数13万人を超える人気YouTuberでもある。整形を大々的に公表しており、テレビ番組でも度々特集される。

目次

社長になったのは「ちやほやされたかったから」?

編集部
野の花さんは元々すごく人気のキャストさんじゃないですか!
どんなことがきっかけで、経営者になろうと思ったんですか??

野の花さん
これ本音と建前があるんですけど(笑)

編集部
えっ!そうなんですね!是非本音を聞かせてください!

野の花さん

編集部
えっと…すみません。使えないかな?(笑)
建前の方でお願いします…。

野の花さん
あっすみません…(笑)ホストクラブとかでお金を使っても、お金を使った時にしかちやほやされなくて。

お金を使わないでちやほやされるにはどうしたらいいんだろうって考えて「あっ!社長になればいいんだ!」って思ったのがきっかけです。

編集部
なるほど…!(笑)

野の花さん
でも自分自身、まだキャバクラ嬢としてすごく脂の乗ってる時期だったから辞めるのは違うかなって思って。なので、「キャストをやりながら、社長業をやろう!」と思って。

だから正直何の社長でもよかったんですけど、キャバクラしかやった事がないから、他の仕事のノウハウとかスキルとかを全然知らなくて。経営って四則演算しか使わないだろうし、経営の勉強だけならできるなと思って、売りに出てたキャバクラを買いました。

編集部
実際に経営をやってみて、キャストの時と収入は変わりましたか?

野の花さん
ざっくりとしかわからないですけど、収入は3倍ぐらいになりました。

編集部
すごい…!3倍も違うんですね!

野の花さん
そうですね、3倍になりました!

編集部
キャスト時代のお給料もすごく良かったと思うんですけど、経営者になってから生活のレベルって変わりましたか??

野の花さん
うーん、全然変わらないです。

もともとあんまり裕福な家で育ってないですし、性格的にもあんまり裕福な生活がしたいと思うタイプでもなくて。いい時計を付けるのも、ブランドの鞄を持つのも、お客さまになめられないためだし。

家は10万円くらい高い家に引っ越しましたけど、これ以上高いところに引越しをしようとは思わないです。

編集部
今のお家が、すごく気に入ってるんですか?

野の花さん
というより、あんまり興味ないです。

お寿司屋さんも、お客さまとか従業員と行くから回らないとこを選んだりしますけど、本当は回転寿司がめちゃくちゃ好きだし。

編集部
お客さまや従業員の方の為なんですね!ちなみに、回転寿司はどこのお店に行くんですか?

野の花さん
くら寿司とか、はま寿司とか!最高に美味しいです♡

編集部
くら寿司ですか!なんだか意外です(笑)

野の花さん
わたし、何にお金使うのかな…

従業員に給料上げてほしいって言われても「うーん、わかったよー」みたいな感じなんですよ。本当はよくないんですけど。

編集部
そうなんですね!それって、働いている従業員の方はすごく幸せな環境ですよね。

いつか「ここで働いてよかった」と思ってもらえるのが理想

編集部
そうは言っても頑張ってないと、お給料ってなかなか上がらないとは思いますけど…?

野の花さん
でも水商売なので。もう遅刻ばっかりするし、超くだらないレベルですよ。

編集部
遅刻って、従業員の方がですか??

野の花さん
そうです。1ヶ月遅刻しなかったら、皆勤賞で1万円っていう世界。

編集部
結構、従業員の方の管理はざっくりした感じなんですか?

野の花さん
水商売だし、あんまりきっちりやり過ぎてもなと思って。

でも本当は、他の場所でも「桜井野の花のところで働いてたなら、仕事できるな」って思ってもらえるのが理想。だからたぶん今は、うざったいとか、うるせえなとか思われてるんですけど、離れてから「あれって大切だったんだ」って気付いてもらえたら、嬉しいかな。そう思いながら、接するようにしてます。

編集部
素敵な考え方ですね。辞めた後に「いいお店で働いてたんだな」って気付いてもらえたら、良いということですよね?

野の花さん
そうですね、家族でもないのに一緒に働くのって、なにかのご縁がある訳じゃないですか。一生一緒にいるかなんて、誰にもわかんないし。

いつか離れ離れになるかもしれないけど「やっぱり桜井野の花ってすごかった」って思ってもらえたら。周りの人にも「桜井野の花の店で働いてたんなら、頑張れ」って言ってもらえるのが理想。

編集部
野の花さんて、男気みたいなところが強いんですね!

野の花さん
よく言われます。

めちゃくちゃ女なところもあるけど(笑)

編集部
めちゃくちゃ女なところ…気になります(笑)

お客さまは、野の花さんの女性らしい部分と男気のある部分、どっちに惹かれてる方が多いんでしょうか?

野の花さん
「経営者として発想がおもしろい」とか「応援したい」とかいうお客さまがすごく多いですね、寂しいことに。

たぶん、たまごっちの中のキャラクターみたいな感じなんだと思う。

編集部
育ててるみたいな感覚なんですね!

人として可愛がってくれてるみたいな感じなんですかね??

野の花さん
自分の子供とか、姪っ子みたいな感じなんじゃないかな。

人として魅力があるとか、女としてどうこうとかでもなくて「こいつ、マジで頑張ってんね!」みたいな。

編集部
そういう愛され方をしてるキャストさんって、なかなかいないですよね!

歌舞伎町にも「キャバクラ以外の選択肢」が増えている

編集部
野の花さんてずっと歌舞伎町で働いてますよね?

野の花さん
歌舞伎町でしか働いたことはないです。

編集部
キャスト時代と比べて、今の歌舞伎町ってどうですか?

野の花さん
もう年々、ダウンって感じですかね。

編集部
年々ダウン…!?それは、お客さまの数自体も、徐々に減ってるっていう感じですかね??

野の花さん
それもあるのと、前はなかった競合みたいなところも出てきたので。

編集部
ギャラ飲みとかですか?

野の花さん
ギャラ飲みとか、AVのキャバクラとか。

いろんなところにお客さまが分かれちゃってるから、お客さまの数は減った感じはしますけど、今はシャンパン文化なので、1組当たりの単価が昔に比べて高いです。

編集部
なるほど!

お客さまの数は減ってても、単価は上がってるんですね。

野の花さん
今って、楽しいことがどんどん増えてきてるじゃないですか。

前はキャバクラしかなかった歌舞伎町にも、ガールズバーとかもできてるし。キャバクラに来るお客さまが減ってるっていうより、お金を払ってお姉さんとお話するところがキャバクラだけじゃなくなったのかなと思います。

編集部
確かに!歌舞伎町ってキャバクラのイメージでしたけど、いろんな業種が増えてきましたもんね。

じゃあ、お客さんは年々分散してるけど…?

野の花さん
結局のところ、人間の欲なので。

食欲、睡眠欲、性欲は三大欲求だから、そんなに人数自体は変わんないんじゃないですか。人間の生態が変わらない限り、欲求も変わらないから。

大切なのは「この業界で何番目にいるか」という視点

編集部
人間の欲求とは、深いですね…!

野の花さん
でも、そういうことまで考えながらやっていかないとなって思ってます。

私は「この業界で、いま何番目にいるんだろう?」ってところに、着目点を置いてるんです。一番大事なことは、儲かってるかとか、売上が上がってるかとかじゃない。たとえ利益が下がっていても、そこの業界で常に片手以内に入っていれば、潰れることはまずないですよね。

編集部
なるほど…!すごく自分を客観的に見る視点が必要なんですね。

野の花さん
一応社長なので、考えます。

社長って肩書だけじゃなく、お金の計算から回収まで、本当に全部1人でやってるので。会計士、弁護士、コンサルは外注してますけど。

編集部
すごく忙しそうですね…!やっぱり、睡眠時間は少ないですか?

野の花さん
少なめですかね?でも寝ようと思ったら、10秒ぐらいで寝れちゃうから(笑)

編集部
すごい!10秒ぐらいで寝れちゃうんですね!

私、寝るまで2~3時間ぐらいかかるので…野の花さんがうらやましいです!

野の花さん
でも、私はいびきをすんごいかくので。

だから好きな人とラブホに行っても寝れない。「大丈夫かな?」って。

編集部
私もいびきかきやすいので、気持ちわかります!

だからスムーズに寝れないです…絶対後から寝ようって思います。

野の花さん
超眠たいのに、我慢したりとか(笑)

編集部
わかります(笑)野の花さんの、女の子な部分が少し見れて嬉しいです!

ブスでも努力すれば、キャバクラでお金を稼げる!

編集部
以前と比べると、たくさん出勤する子も減りましたよね。週1〜2日とか、好きな時だけに出勤するとか。

野の花さんのお店でも、出勤の少ない子いたりしますか?

野の花さん
うちは、出勤数の少ない女の子は採らないようにしてます(笑)

編集部
えっそうなんですね…最近では珍しいですね!大体どれぐらいの日数で採ってるんですか??

野の花さん
週4日です。

編集部
それって、結構厳しい方ですよね?

野の花さん
いや、週4日以下だと…

編集部
「うちのお店には合わないかな」って感じですか??

野の花さん
例えば、フリーのお客さんを付けてあげても、その子が出勤できないと意味がなくなっちゃうじゃないですか。売れてる子だったらいいですけど。

編集部
前は週1〜2日の子は採らなかったお店が、今は割と採用するようになってきてたりしてますよね…?

野の花さん
女の子の外見とかにすごくこだわってるお店だったら、週1〜2日は全然あると思います!

でも、私はキャバクラって中身だと思ってるから。「ブスでも努力すればお金稼げるよ」って。いろんな考え方の経営者がいると思うんですけど、私は女の子の中身にこだわるから週1〜2日だと採らないです。

編集部
女の子の外見より、中身を求めてるお客さまも沢山いますよね!

野の花さん
ですよねー!

可愛い女の子は腐るほどいますから。今は整形も、別に珍しくないですし。

キャバクラを「ただの通過点」にされたくない

編集部
野の花さんとしては、今の経営方針を続けて、キャバクラ業界自体を独自の切り口で盛り上げていくって感じですか?

野の花さん
キャバクラって通過点にされることがすごく多くて。

何か困ってたり、何か訳があったりして、働ける場所がないから水商売をやってるっていう人がたぶん半分以上だと思うんですね。

編集部
確かに、そうかもしれないです!

野の花さん
私は、そういう考え方をされてるのがちょっとイヤだなと思ってます。

例えばですけど、Googleって、テストとか、面接とか、模擬プレゼンとかを通過して、やっと入社できる。だから「一生働こう!」ってなりますよね。

でも水商売は「誰でも働いてください!」みたいな感じ。だから、やりたいことが見つかったとか、お金が貯まったとかで簡単に辞めるような人ばっかりなので、そこを私が変えていきたいなと思ってます。

編集部
「ずっと続けられるんだよ」という感じですか?

野の花さん
そうです!だから、逆輸入みたいにしたい。

編集部
逆輸入ですか??

野の花さん
昼間働いてる人に夜の世界で働いてもらうみたいな。

現に私のお兄ちゃんは美容師だったんですけど、今はお店の専属ヘアメイクをしてもらってるんですよ。

編集部
なるほど!昼職の人を逆輸入するってことですね!でもそういう取り組みがイメージを変えていくきっかけになっていくのかもしれませんね。

キャバクラはたくさんの可能性を秘めている仕事

編集部
キャバクラを通過点とさせない為に、野の花さん自身が女の子や従業員にはたらきかけてる事って何かあるんですか?

野の花さん
従業員や女の子には、「やりたいことが見つかったら事業計画書持って来て」とか言ってます。「ちゃんと利益が出て事業として成り立ちそうならお金は出してあげるから」って。だから、水商売で働いてて、キャバクラが踏み台という訳ではないけど絶対キャバクラの経験が今後のやりたい事にも活かせるなって思っていて。

編集部
めっちゃ良い社長さんですね!
野の花さんから見て、キャバクラのどんな経験が具体的に活かせると思いますか??

野の花さん
キャバ嬢の一番いいところっていうのは、キャバ嬢じゃなかったら知り合う事が絶対ない人に出会えるところだと本当に思います。

編集部
キャバ嬢じゃなかったら出会えない人…!例えば社長さんとかですか??

野の花さん
そうですね。普通に生活していたら、知り合えないようなお金持ちの方だったり、社会的地位のある人と普通にお話しさせてもらえたりするじゃないですか!普通は話す機会すら与えてもらえないのに。

編集部
たしかに、それはキャバクラで働く魅力の1つですよね!

野の花さん
そういう方と知り合えた時点で、今までよりも確実に視野は広がるじゃないですか。
何かやりたい事が見つかった時に、お客さまに応援して貰えるような関係を築けていたら、その方が出資して何かやらせてくれるかもしれないし、やりたい事を実現させる為に協力してもらえるかもしれない!そういう可能性が沢山あるところが、キャバクラのいいところだなって私は思います!

編集部
なるほど…!今やりたい事がなくても、キャバクラのお仕事を通して見つかる事も大いにありそうですね!

野の花さん
全然あると思います!だけど、そんなチャンスを活かせてない女の子も多いなって感じていて…。

編集部
チャンスを活かせない女の子と、活かせる女の子の違いは野の花さんから見てどんなところにありますか?

野の花さん
当たり前のことを当たり前にできるかどうかだと思います!

編集部
深いですね…!詳しく教えてください!

野の花さん
キャバクラでやることって、席に着いたら名刺を渡す、お酒を作ってお客様とお話しする、連絡先を聞く、お礼の連絡をする、決まった時間に出勤をする
だいたいこんな感じなんですど、意外とこれが守れる子が少なくて…!
だから、基本をきちんと守って当たり前の事を当たり前にしてるだけで、指名のお客様を増やす事も出来るんです。

編集部
そうなんですね!もっと高度な技が必要なのかと思ってました…!

野の花さん
高度な技(笑)お客様は気まぐれなので、連絡さえ取っていればたまたま飲みに出た日にあの子連絡くれたから行ってみるか!で、きてくれたりするんですよね。でもちゃんと出勤してなかったら、その指名も逃すじゃないですか!

編集部
たしかに…行って居なかったら残念な気持ちになりますね。

野の花さん
だから出勤はした方が良いし、当たり前の事を当たり前に続けていくだけで良いんです。

編集部
なるほど…!当たり前の事ができないとチャンスを掴むタイミングが来ないということですか?

野の花さん
ただ席に座って会話だけして、連絡先も交換しなかったらその先がなくなりますからね。だから、当たり前のことを当たり前にするっていうのがチャンスを掴む近道だと思います!

編集部
なるほど…!キャバ嬢を得て今社長をやっている野の花さんが言うと説得力があります。
野の花さん、本日は興味深いお話をたくさんしてくださり、ありがとうございました!

経営者として、キャバクラ嬢として、精力的に活動を続けている桜井野の花さん。
今後、野の花さんのいるキャバクラ業界がどのように変わっていくのか、楽しみですね!

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