北海道・すすきのから全国へ…ナイト業界に革新をもたらしている大注目のグループといえば、あの有名な『バルセロナグループ』!
今回は、そんな大手グループを作り上げた「波戸崎崇」CEOのインタビューです。
若き革命家・波戸崎CEOが、ナイト業界を根本から改革しようと考えた経緯を包み隠さず語ってくださいました!
公務員家系育ち!キャバクラ業界へ入ったきっかけは?
Q.ご家族が教職という公務員家系の環境から、なぜ夜の世界に入ろうと思ったんですか?
そもそも、僕の家庭はテレビはほとんどNHKしか見る機会がなかったというのもあり、キャバクラっていう言葉も、ナイト業界のことも全く知らなかったです(笑)なので、テレビやドラマでよくある怖い業界というイメージも全くなくかなりフラットな状態でした。
大学生の時に、人生で初めてバイトをしようと思って始めたのが、たまたまキャバクラという場所だったんです。その時も、ナイト業界で働いている自覚は、全く無くて…
とてもシンプルに「利益率の高いビジネスをやっている業界」という観点で働いていました。
Q.ビジネス的な観点がバルセロナグループの新たな挑戦に繋がっているのでしょうか?
そうですね。
でも新しいことをしたい!という考えを持っているわけではなく、「会社ってこういう方が良いよね!」という、僕の中で当たり前のことをしていたら、いつの間にか業界的には“新しい”と認識されていった…というのが実際のところですね。
新卒採用をしたり、マーケティングを強化するために適材適所の人員配置をするなど…
ナイトではそういった観点でビジネスをやってる人が少なかっただけなんです。
結果的には新しいことをしているとされていますが、僕がやっていることは、もう何十年も何百年も前からビジネスの世界では当たり前にやっていたことなんですよ。
ナイト業界への理解と柔軟なマネジメント体制
Q.バルセロナグループがここまで成長を遂げた経緯を教えてください。
まずは、僕のキャリアでいうとバイトで働いていた名古屋のお店のオーナーから「北海道にある赤字のキャバクラ店舗の再建をしたら起業させてあげる!」と言われ、まずは北海道で雇われ社長を任されました。
そこから1年半くらいかけて利益体質に戻していったんですが…
うっかり売上を上げ過ぎて、店舗を3店舗に増やしてしまったんですよ!(笑)
1日15時間・2ヶ月に1回休むといった感じで働いてみたら、売上げが上がってしまったんです!
そしたら、オーナーも手放せなくなってしまって、結果的に5年くらいはその店舗の運営をしていたのですが、「起業させてくれるって言ったのに約束が違うじゃないか!」ってことで、6、7年目にようやく独立する事ができたという感じです。
それが今から12、3年前のことで、そこからは自分の考えでグループを大きくしていきました。
Q.赤字店舗を利益体質に変えたとのことで、具体的にどんなことをしたのですか?
一番最初にしたのは、「価値観の違いを受け入れる」という事です。
僕が生きてきた公務員家系の堅実で封鎖的な環境で出会う人達とは違う、ナイト業界にいる自由な価値観を持った人達に囲まれ最初は驚きましたが1年ほどかけて彼らと僕の価値観の違いを受け入れる事を行いました。
マネジメントに関しても、いわゆる普通のマネジメント関係の本を4、50冊読んだのですが、書籍に書かれていることは、成熟した環境の企業に向けて書かれている事が多いなと感じ「ここでは通用しない!」という結論に至りました。
なので赤字店舗という未成熟な環境や、ナイトという業界で働く従業員達に対し、ちゃんと順応したマネジメントにシフトしたことが良かったのかな。
学校や大人に従順ではなく生きてきた人達でも、ルールを守りながら活躍できるようになる仕組みを作るにはどうすれば良いか?とか、必要な要素は何か?どんな対応をすれば正解か…とか、
前向きなマネジメントの一環として、そんなことをずっと研究していましたね!
業界初の新卒採用を実現!成功の秘訣は「先人たちの知恵」
Q.新卒採用など新しい取り組みで、「夜直し社長」といわれていますがその点はいかがでしょうか?
私はこの業界の良い所も悪い所もたくさん見てきました。多くのお客様に愛され、何者でもない女性が夢を掴んでいった姿を何度も見ました。だから私はこの業界のことをもっと多くの人に愛されるような仕事にしたいんです。
ナイト業界に偏見を持っている人は今でも多いですよね。
その偏見が変わらないのは、業界の体制に少しの問題があり、まだまだ改善の余地があると僕は思っています。
似た思考の人達が集まって、そこでいくら良くしていこうと考えを巡らせても、結局は同じようなことを繰り返すだけで世間の偏見が変わることはないと思います。
例えば、世間では週休2日制が当たり前になり週休3日制が検討されていますが、今すすきのにある他の会社で完全週休2日制を取り入れてるグループはほとんどないんじゃないかな。ブラック企業と呼ばれても仕方のないような会社も存在していることも事実です。
なので、弊社では社会保険や休みの体制などをしっかり構築して、会社として安心安全に働ける環境を作っています。
Q.「従業員採用」についても詳しくお聞かせください。
採用にはとてもこだわりを持っています。
この業界って、いまだに学歴は無駄だって考えが根強いですよね。
それが組織の多様化を阻んでいると僕は考えていて…
自分で東京大学と京都大学に自ら行き、学生さんに向けて焼肉を御馳走する代わりに僕の話を聞いてもらうという会を何度も開催しました。
全ての大学と採用コンサルの方に断られてしまったので自ら動きました。
今でも新卒採用、つまり人材発掘には時間を惜しまずに注ぎ込んでいます。
だからこそ、今では現場上がりの部長がマネジメントをし、キャスト時代元No.1社員がキャスト研修を行い、悩みを聞き、東大卒で元外資系コンサルの社員がマーケティングをし、面白くて優秀な社員がキャストさんを支えています。
Q.ナイト業界的にはやっぱり“新しい”ことをしているなという印象ですがいかがですか?
特に新しいことにこだわっているわけではありません。
僕がやっていることは、あらゆる先人達が企業の成功のためにやっていたことを、ナイト業界でそのまま行っているだけです。全て先人たちの知恵なんですよ。
そもそもナイト業界だからとかではなく、会社を成長させていく為にそういった手法を持ち込むのも当たり前だという考えでいます。
数値データを元に徹底的なキャスト管理で効率的な売上げ作り
Q.「キャスト採用」に関しての基準を教えてください。
まず、美しさを重視しています。
年間1000人くらい面接に来て下さいますが、採用は3割程度ですね。
Q.見た目の美しさを計るポイントはありますか?
もちろん生まれ持った才能もあると思うのですが、
美しさというのは、後天的な努力でも作れると思っています。
整形をしなくても、髪質、体型、姿勢、歯、肌を美しくすると、綺麗になり売上に繋がっていきます。
バルセロナのお客様は美しいキャストを求めているので、後天的な努力を含め美しさをかなり重視しています。
入店後の成長率についてはデータで管理を行なっています。
Q.データ管理するということについてもっと詳しく教えて欲しいです!
全てのキャストに対して徹底したデータ管理をしています。
場内指名率だったり、新規のお客様から指名をいただく確率などを細かくデータで出して、キャストごとの成績を出しています。
理由としては、従来の属人的で主観的なキャスト管理の体制も問題だなと感じていました。
結局、店長も人間なので、気に入ったキャストを可愛がったり贔屓したり優遇するという傾向がある事を問題視していました。
数字を伸ばす上では、そういった主観的な部分をいかに減らすかを重要視しています。
現在、バルセロナグループで働くキャスト向けに自分の細かいデータが見れるアプリの完成が間近です。
適材適所の人員配置がカギ!業界を背負い世界を目指す
Q.長く体制の変わらないナイト業界で、どうやってこの体制を実現できたんですか?
デジタル化(DX)を進め、複雑化しつつある経営を行っていく上で、どうしても特別な人材が必要となります。
そこで、集まってくれた東大卒のメンバーを中心とした精鋭チームが活躍してくれています。
自店舗の研究をしてお店が適正に稼働しているかどうか健康診断をしているだけでなく、ストアディレクターチームという、他店舗のデータを数値化して研究するチームなんかも存在します。
もちろん高学歴だからといって全員現場が特別優秀というわけではありません。
しかし彼らにしかできない仕事があるのも事実です。
面白くて優秀な仲間と共にテクノロジーとキャバクラを融合させ、この業界をより良くしもっと多くの人にキャバクラの素晴らしさを伝えていきたいと思っています。